190517 松下幸之助 / 『指導者の条件』 読書グラフィ 今日読んだ本

読書グラフィ 今日読んだ本

松下幸之助 / 『指導者の条件』



北条氏康(うじやす)が息子氏政(うじまさ)に言った言葉

「大将として部下を選ぶのはふつうのことだ。

けれども、部下が大将を選ぶ時もある。

日ごろ部下を愛し、民をいつくしまないと、

一朝事あった場合は、他に名君良将を求めて去っていってしまう。

だから大将たるものは、つねにそのことを心がけなくてはいけない。」



大東亜戦争が終わった時、当時の中国国民政府の蒋介石主席は、

”怨みに報いるに徳をもってする”ということを声明し、

 日本に対して報復的なことや賠償の要求をしなかった。

 これはお互い日本人としては

 まことにもって多としなければならないところであると思う。



●中国古代の殷(いん)王朝をひらいたといわれる湯王(とうおう)

 使った盤(洗面器のようなもの)に、


「まことに日に新たにせば、日々に新た、また日に新たなり」


 ということばがほってあったという。

 要は日に新たということを心がけ実践していくことが大切で、

 ほんとうにそれを行えば次つぎと自分が新しくなっていく

 ということだと思う。



●お釈迦様は、諸行無常ということを説いておられる。

 ギリシャヘラクレイトスという哲学者は、

「万物はすべて流転している。

 太陽ですらも日に新たで、きょうの太陽はもはやきのうの太陽ではない」



●人間には不可能なことがたくさんある。

 それではどういうことが不可能かといえば、

 いわゆる天地自然の理に反したことである。

 たとえば人間はいつか必ず死ぬというのが天地自然の理である。

 だから、それに反して不死をいくら願ったところで

 それは絶対にかなえられない。


 けれども、そのことは逆にいえば、

 天地自然の理にかなったものならば、すべて可能だということである。


 たとえば、事業というものは天地自然の理に従って行なえば

 必ず成功するものだと思う。いいものをつくって、

 適正な値段で売り、売った代金はきちんと回収する。


 簡単にいえばそれが天地自然の理にかなった事業経営の姿である。

 そしてその通りにやれば100パーセント成功するものである。


 成功しないとすれば、それは品物が悪いか、値段が高いか、

 集金をおろそかにしているか、

 必ずどこかに天地自然の理に反した姿があるからである。



孫子

「およそ用兵の法は国を全うするを上となし、

 国を破るはこれに次ぐ、軍を破るはこれに次ぐ。(中略)

 この故に百戦百勝は善の善なるものに非ざるなり。

 戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。」


 戦いに勝つこともさることながら、

 戦わずして勝つことが最上だと孫子自身はいっているわけである。


 なるほどいわれてみればその通りである。


 戦争をするのは何かしら目的があってのことであって、

 それ自体が目的ではない。

 だから要はその目的をいかに合理的に犠牲をださずに達成できるか

 ということが大事なのである。

 そう考えれば、戦わずして勝つ、

 いわゆる無手勝流(むてかつりゅう)がいちばんいいのであって、

 戦って勝つというのはその次になる。



●理外の理ということばがある。

 理論的には一たす一はつねに二になるが、

 現実には必ずしもそうはならない。


 一たす一が十になったり、

 時にはマイナスになったりする場合もある。



#読書 #人生訓