191016 チャールズ・エリス / 『チャールズ・エリスが選ぶ大投資家の名言』 読書グラフィ

読書グラフィ 今日読んだ本

★チャールズ・エリス(編著)、鹿毛雄二(訳) / 『チャールズ・エリスが選ぶ大投
資家の名言』



アダム・スミス

「価値」という言葉は、二通りの異なった意味を持っている。


「使用価値」・・・

 ある特定のものの実用性を表現。


「交換価値」・・・

 そのものの所有権が譲渡されることによって生ずる購買力を示す。


 水ほど役に立つものはないが、水を対価としようとしても何も買えない。

 反対に、ダイヤモンドそれ自体は何の使用価値もないが、

 これを交換すると、相当の量のものを手に入れることができる。



●グスタヴ・ルボン


 群集がどのような特長を示すかは、さまざまな要因によって決まる。

(1)群集を構成する人々は、たくさんの人と一緒にいるというだけで、

 無限の力を得たような気分になる。

 しかも、群集の中の一人一人は名前を持たないという特長を有し、

 したがって責任を問われないので、

 その行動を抑制するメカニズムが働かなくなる。


(2)群集の特長の表れ方や今後の方向を決定するうえで、

 グループの中で群集を作るエネルギーがどのように伝播していくのか、

 という点である。


 群集にあっては、あらゆる感情や行動はあっという間に伝播する。

 メンバーは、集合的利益のために自分の利益を犠牲にするようになる。


 このような自己犠牲的態度は、そもそも人間の本質と矛盾する。

 群集の一員となった時以外、生じることは滅多にない。



(3)最も重要な要因は、判断能力の低下である。

 群集の一員としての個人と、群集を離れた一個人との間の最大の違いである。


 前述した伝播現象も、結局は判断能力の低下によってもたらされる。

 すべての感情と思考は、群集の向かう方向に無批判になびいていく。


 群集の一員というだけで、人間は野生の状態に近づく。

 一人一人の人間は、文明化された存在であっても、いったん群集となると、

 本能によってのみ行動する動物になり下がる。

 スローガンやイメージに容易にコントロールされ、

 明らかに自分の利益に反するようなことでも嬉々として行う。


 群集の中の一員は、風の中で舞い上がる砂塵のような存在である。



●フィリップ・フィッシャー


適切な検討をして購入した株式であれば、

それを売却する時は-永遠に来ないだろう。



●チャールズ・D・エリス


運用成績を上げるには三つの方法がある。


知恵の勝負、体力勝負、そして忍耐力の勝負である。


知恵で勝負するには、運用というものの本質を理解し、

将来に対して明確なビジョンを描き、

それにもとづいて長期的な運用方針を作成・遂行することが必要である。


たいていの投資家は、体力で市場に勝とうとする。

彼らは膨大な体力的エネルギーを注ぎ込むことで成果を上げようとする。


このやり方の問題は、誰もが同じことをしようとしている点にある。

だから、こんなに体力を使ったからといっても、競争に勝つことは難しい。


私の場合、知恵にも体力にも自信がないので、

忍耐力で勝負することにしている。


具体的には、自分に適していると同時に、

市場の歴史からみても実現可能性のある現実的な運用基本方針を作り上げ、

これを遂行していくということに尽きる。

ここが忍耐力を要するところなのだ。


あなたの周りには、景気がよくなれば買いを勧め、

悪くなれば売りを勧める人々が大勢いるだろう。

しかし、この方針を採用する以上、頑として断ることが重要である。


この方法は、格別の知恵も、体力もいるわけではない。

ただ大きな忍耐力を必要とする。


#読書 #財テク