200215 齋藤孝 / 『世界の見方が変わる50の概念』 読書グラフィ 今日読んだ本

読書グラフィ 今日読んだ本

齋藤孝 / 『世界の見方が変わる50の概念』



●精神医学者 ジークムント・フロイト エス

 異性を求めて突き動かされるような力を指し、

 感情、欲求、衝動など、何が悪いかなどは一切考えずに、

「これがしたい」「母親を独り占めしたい」といった欲求を

 丸出しにして満足を求める、いわば動物的本能です。

 赤ん坊は、エスだけに突き動かされて生きていると言われています。



超自我(スーパーエゴ)

「○○をしなければいけない」と自分をコントロールする。



●自我(エゴ)

 エスのやりたい放題の欲動と道徳的・社会的に抑えつける超自我の力が

 せめぎ合う領域で調整をするのが自我です。



●自分にとって快感のあるものだけに囲まれて生きているのは、

 子どもっぽい生き方です。

 現実を受け止め、現実の課題に対処していく。

 これが成熟した生き方と言えます。


 脆い(もろい)、すぐキレる、自己管理ができないのは、

 成熟していない在り方です。

 それは主として、他者や社会によって「もまれた」経験が少ないためです。

 つまり気持ちのいいことしかしてこなかったためです。

 自分をごまかさないで、現実を受け入れなければ成長しません。



●人間は生まれつき、快を求め、不快を避けようとする快感原則を

 本能的欲求として持っています。

 しかし、現実社会で生きていくには、

 現実に順応する姿勢を身につける必要があります。

 現実と向き合い、自分にとって不快に感じられることにも

 順応していこうと努力することによって、人は成長し、

 より大きな快感を得られるようになるのです。



●中庸(メソテース(Mesotes))

 両極端に傾いていないか。


 アリストテレスは人間が幸福に暮らすためには

 倫理的な徳を身につけるべきだと説きます。


 それには、知恵・知識・思慮・技術を身につけるだけでは不十分で、

<中庸をとる習慣を身につける>ことが重要だと言っています。


 中庸とは、「過不足なく極端に走らない」バランスのよさのことです。


 英語では中庸を<ゴールデン・ミーン(Golden mean)>と言います。

 

ニーチェ 「スーパーマン(超人)」

 人間的な卑小さを<乗り超えようと学び、努力している人>のこと。

 人並みはずれた能力を持つスーパーマンのイメージとは異なります。



ニーチェ 「精神の三段の変化」

(1)「駱駝(らくだ)」

 義務を背負う者。


(2)「獅子(しし)」

「~すべき」に否と言い、自由を獲得する者。

 自立する。


(3)「幼子(おさなご)」

 遊ぶように生き、新しい価値を生み出す創造的な者の象徴。

 ひがみや恨みなどから解き放たれて、新しい価値を生み出す。



●人生は同じことの繰り返しです。

 これはしんどいことですが、受け入れるよりほかはありません。

 人生を自由に力強く生きていけるかは、

 いやなことも引き連れて、自分の人生を全部肯定して、

「よし、もう一度」と思えるかどうかにかかっています。



●『燃えよドラゴン

「考えるな。感じろ!」にはつづきがあって、


「それは月を示す指と似たようなものだ。

 指に気をとられていると、その先の栄光を得られないぞ」


 突き立てた指先にばかり目を向けていたら、

 その先にある輝かしい月の存在に気づくことはないだろう、

 という意味です。



●スポーツをやっているとわかるのですが、

 一瞬考える間があったために失敗してしまった、

 余裕があったために失敗してしまったというのは、よくあることです。


<考えるな!>と言っているのは、考えすぎて動きが遅くなり、

 それが致命傷になることを言っています。

<感じたら動け>。感じることと動くこととのあいだに

 ズレがないようにしようということです。



シューベルト 弦楽四重奏曲『死と乙女』『ロザムンデ』



●自然体

 リラックスしながらも覚醒している心身の在り方で、

 身体の重心においても、心や精神の方向性においても、

 寄りかからない、ゆとりをもった構えです。


 この構えができていれば、

<自分の中心は崩れないで、まわりの状況に対して

 柔軟かつ当意即妙(とういそくみょう)に対応できます>。


 この自然体は、「自然体で臨む」と言うときの自然体とは異なる、

<技としての自然体>です。

 自然にしているのが自然体と考えがちですが、

 武道などで言う自然体は、訓練してつくりあげる特別な状態です。



勝海舟

「呼吸(コツ)さえよく呑み込んでおれば、

 たとえ死生の間に出入りしても、けっして迷うことはない。」

「この呼吸(コツ)が、いわゆる活(いき)学問で、

 とても書物や口先の理屈ではわからない」と言っています。


「呼吸」と書いて「コツ」と読むところに、

 当時の呼吸文化の高さが感じられます。


 昔は、呼吸がわかることは、

 ものごとの勘どころやタイミングを知ることでした。


<息が合わない人>、つまりタイミングが微妙にずれている人との人間関係では、

 とくに呼吸を意識することが大切になります。


<呼吸に注意深くなれば、相手の心の内をおしはかることができる>

 ようになります。



●呼吸力はいかに息を長く吐きつづけられるかにかかっています。

 呼吸が深い人は呼吸の浅い人に合わせることができますが、

 呼吸の浅い人は、集中力がところどころで切れて、

 自分のペースにならざるをえないので、相手に合わせづらくなります。


 フーッと長く吐く練習をしておくと、呼吸量がついてきて、

 相手の呼吸に合わせる余裕ができてきます。


 小学生を教えていてわかったのは、

 集中力のある子は息を長く吐くことができます。

 反対に、ゆっくりフーッと吐こうと思ってもすぐに崩れてしまう子は、

 気が散りやすいのです。



●禅僧、教育者 無着成恭(むちゃくせいきょう)

「型破りというのは型があるからできるんだ。

 型がないのは型なしと言うんだ。」



弁証法 量質転化の法則

 うまくなりたければ<質が変化するまで量をこなす>必要があるのです。


 質が変化する(自転車でいえば乗れるようになる)間に

 量をこなすのをやめてしまうと、すぐにもとにもどってしまいます。



●技を手に入れる基本

<修練> → <習熟> → <自動化> という流れ。


 自動化されることで意識に余裕ができます。

 無意識にできることが多ければ多いほど、

 今の意識は新しいことに使えるようになります。



●自分がやりたいことをやると言って、それが職業になる人は、ほぼいません。

 ですから、他者実現を考えることが、結局、自己実現につながります。


 そのためには、自己中心性を離れて、顧客は誰か、

 顧客の隠れた欲求は何かを問いつづけることが大切になります。



ドラッカー マネジメント 3つの役割

(1)自らの組織に特有の使命を果たすこと。

(2)仕事を通じて働く人たちを生かすこと。

(3)自らが社会に与える影響を処理するとともに、

 社会の問題の解決に貢献すること。



#読書 #人生訓
 

齋藤孝 / 『世界の見方が変わる50の概念』