200217 齋藤孝 / 『世界の見方が変わる50の概念』 読書グラフィ 今日読んだ本
読書グラフィ 今日読んだ本
★齋藤孝 / 『世界の見方が変わる50の概念』
●哲学者 九鬼周造(くきしゅうぞう)『「いき」の構造』
粋(いき)に生きることは日本人の持っている生き方の美学、美意識である。
粋とは「色気」(媚態(びたい))を
「心の強さや張り」(意気地(いきじ))と「垢抜けした態度」(諦め)で
抑制した絶妙なバランス状態のことを言います。
「媚態」・・・
惚れた相手を自分のものにしたいという欲望からにじみ出る色気のこと。
「意気地」・・・
気概、心の張り、あるいはやせ我慢のようなもの。
人間関係において、相手との関係が平行線、
つまり近づきもしなければ離れもしないという状態をつづけているのが
心の張りです。
相手との適正な距離を保つこと。
この二本の平行線的な緊張感がないと、極端な場合、
ストーカーになってしまったり、
相手に夢中になって言いなりになってしまいます。
「諦め」・・・
欲望に執着しない態度。
人生の場数を踏んで、酸いも甘いも噛み分けているという、
いい意味での諦めの境地です。
人生を知っている人というのは、洗練されすぎてもいなければ、
野暮でもない。派手すぎず、地味すぎない。
諦めの境地というのは、その中間を心得ているということです。
粋な態度、粋な生き方というのは、
抑制しすぎず、開放しすぎない、適度な生き方のことです。
●臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
(かたきを討とうとして)苦心・苦労を重ねること。
(出展:Google検索)
●カタルシス(Katharsis、ギリシャ語)
「排出」「排泄」「浄化」。
身体的な意味の排出と同時に精神的な浄化作用を意味している点で、
広がりのある概念です。
●祝祭、祝祭感覚
私は仕事も勉強も、人生における<祝祭>だと考えています。
<新しい仲間と出会い、新しいアイデアを考え、新しいモノを生み出す。
新しい意味が生まれる場所は、すべて祝祭の場となります>。
それを祝う心で、何事にも上機嫌で相対することができれば、
いつしか小さい自分を乗り越えていくことができるはずです。
<新しい価値を生み出す行為と、それを分かち合う時間が本当の祝祭>です。
ですから、「場を盛り上げて楽しむ」という身体感覚を大事にしたいものです。
周囲の人間を引き立てたり盛り上げたりするのには
多大なエネルギーを要しますが、
このエネルギーの放出が快感として感じられれば、
祝祭空間の作り手になれます。
<クールに意思決定し、ホットに場を盛り上げる>。
そんな<頭寒足熱>が理想型です。
●ビルドゥング(Bildung)
形成を意味するドイツ語。
教養と自己形成がセットなので、<教養による自己形成>とも言われ、
自己形成の過程が描かれた小説が
<ビルドゥングスロマン>(教養小説、自己形成小説)と呼ばれるものです。
□ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』
●教養とは、自分を別の視点で振り返るための<装置>です。
教養は心の免疫力を高めてくれます。
教養は先人の残してくれた文化を吸収して、自分の栄養にし、
それを血や肉に変えて自己を形成していく行為そのものです。
●智・仁・勇は人間の精神の骨格の三本柱です。
(1)智
ものごとがよくわかっていて判断を間違わない。
智だと思う場所、「おでこ」「前頭葉」。
(2)仁
情けの感情があるという<思いやり>。
仁だと思う場所、「胸」。
(3)勇
困難を恐れずに立ち向かう<勇気>であり<行動力>です。
勇だと思う場所、「腹」「臍下丹田(せいかたんでん)」。
●悟り
おもいわずらわずに今の時間に集中できている状態、
それでいて自分の意識が勝ちすぎていない状態、
リラックスして集中できている状態、
つまり、<何物にも惑わされない、
すっきりとした頭や身体であること>です。
●悟りのバロメーターは、自分の偏ったものの見方や考え方を
捨てていく心のトレーニングによって高まります。
その結果、何ものにも惑わされることのない平常心と安心、
バランス感覚に優れた判断力が具わります。
この体験は誰にでも可能で、メソッド化(悟りの技化)することができます。
#読書 #人生訓