190608 デービッド・A. アーカー『カテゴリー・イノベーション』 読書グラフィ

読書グラフィ 今日読んだ本

★デービッド・A. アーカー (著)、阿久津聡、電通ブランド・クリエ-ション・センター (訳)
 / 『カテゴリー・イノベーション―ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ』



●企業は、必要なイノベーションに成功する確率とコストを

 現実的に評価する必要がある。


 確率が低く、成果と比べてコストがかかりすぎる場合は、

 そのコンセプトはひとまず置いておいたほうがよい。



●(競合として)即座に追従してきた企業は、

 初期の市場リーダーの教訓を糧に成長し、

 その先行者の優位性を無効にすることができる。



●(商品化に)ゴーサインを出すか否か、

 つまりコンセプトを商品化する覚悟をするか、

 没にするかの判断に限定してしまってはならない。


 ゴーサインは、コンセプトを次の段階に進めて、

 開発、評価、フィールド調査、市場導入へと

”ステップを踏む”という意味であるべきだ。


 要は、リスクの削減である。



●コンセプトが市場導入まで進歩していく過程で、

 一連の意思決定が行われ、そのたびに組織のエネルギーが費やされる。


 そうした現実をよく認識して、

 企業はさまざまな段階にあるコンセプトのポートフォリオをもつべきである。


 コンセプト・ポートフォリオがあれば、

 組織の資産をもっとよく活用して、さまざまな段階に配分することができる。



ピーター・ドラッカー


「成果は問題の解決ではなく、機会の開拓によってのみ得られる」



アラン・ケイ

「パソコンの父」と呼ばれる米国科学者


「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」



スティーブ・ジョブズ


「デザインは人の手による創造物の奥底に宿る魂だ」



●研究の結果明らかになったのは、

 安い商品を買う顧客には二つのタイプがあることだ。


(1)既存の顧客

 彼らは多機能で高品質の追加品は必要なく、

 品質が多少劣ってもシンプルで安いバージョンを歓迎する。


(2)新しい顧客

 他の製品は高すぎると思い、

 新しい低コストの製品を購入するのが妥当だと考える人々。



●クロロックス社 浄水器「ブリタ」


※ブリタがブランド名であること、

 クロロックス社が会社名ということを初めて知った。



●競合参入の障壁

・顧客との関係性

 ブランドを豊かにする。

 顧客を参加させる。

 ブランドを活性化させる。


・ベネフィットを独占する

 正統性

 信頼性

 動く標的

 ブランド・イノベーション


・投資障壁

 テクノロジー

 能力

 実現能力

 事業規模

 ブランド・エクイティ

 ブランド・ネットワーク

 ブランド・ロイヤリティ


・ブランドをカテゴリーあるいはサブカテゴリーと結びつける。



●事業からの撤退は痛みを伴うものであり、辛いものであるが、

 ダイナミックな市場に対応する能力として企業に不可欠の部分でもある。


 事業成功のカギの一つは、事業について何をしたくないか、

 ということを明らかにし、ルール化してそれを忠実に守ることによって、

 優先分野以外への投資を減らす、または停止することだ。



Google が掲げる 10 の事実

1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。

2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。

3. 遅いより速いほうがいい。

4. ウェブ上の民主主義は機能する。

5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。

6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。

7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。

8. 情報のニーズはすべての国境を越える。

9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。

10. 「すばらしい」では足りない。


(出展: https://www.google.com/about/philosophy.html?hl=ja )



●模範ブランドになるための4つのポイント


(1)
ブランドではなくそのカテゴリーあるいはサブカテゴリーの

 認知獲得を推進することだ。


 目標はカテゴリーあるいはサブカテゴリーの定義であって、

 それが広く受け入れられることだ。


 ブランドのことは気にかけず、カテゴリーの提唱者に徹するのだ。


 カテゴリーが勝利を収めれば、自ずとブランドも勝利を収める。


(2)
第一人者としてオピニオンリーダーになることを目指そう。


カテゴリーあるいはサブカテゴリーの定義と、

その土台にある動機やロジックを考えるのだ。


(3)
イノベーションを継続することだ。

立ち止まってはならない。


イノベーション、改善、変革によってカテゴリーは活性化され、

よりダイナミックに、魅力的になる。


(4)
売り上げと市場シェアの面で早い段階で市場リーダーとなることだ。


市場シェアでトップにならなければ、

ロールモデルのブランドとして、その役割を活用するのは難しい。


最初に市場に参入したことによって、優位に立つこともある。

改良品を導入することによってロールモデルとしてのブランドの座を獲得し、

市場リーダーになるケースもある。


#読書 #ビジネス