190923 香山リカ / 『しがみつかない生き方』 読書グラフィ 今日読んだ本

読書グラフィ 今日読んだ本

香山リカ / 『しがみつかない生き方 「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール




●(夢ややりたいことのためではなく)

”パンのため”であれば仕事にも身が入らないか、ということ、それも違った。


 この仕事を失ったら今月から暮らせないと思うと、

 かえってそれなりに真剣になる。


 また、仕事そのものが「本当に好きなこと」とは違っていたとしても、

 その中である程度、長くやっていると、

 だんだん技術が身についていく、

 まわりの人からも認められたり頼りにされたりする、

 という別の喜びが味わえる。


 しかも、たとえちょっとした失敗をしても、

「これはしょせん本当に好きな仕事じゃないんだから」

 という逃げ道があるので、

 激しく落ち込まずにすむこともある。


 仕事と適度な距離を保つことができるので、

 燃えつきずに長く続けることもできる。


 深い意味がなくても仕事をし続けるのは、

 それじたいでけっこう意味があることなのではないか、

 と思うのである。



●子どもにしがみつかない


 中年以降の泥沼を避けるためにも、

 若いうちから互いにできるだけ距離を取って、

 自分は自分の責任で生きていく。


 それでなくても親子は距離が近くなりすぎるのだから、

「なるべく離れて」と思うくらいがちょうど良いのではないだろうか。



●英国 国教会 司祭 ジョン・ウェスレー 『金銭の使用法』


「できるかぎり儲けなさい。

 できるかぎり貯えなさい。

 そして、できるかぎり与えなさい。」



●私たちはまだ、

「お金にしがみつきすぎる生き方や社会は、

 本当の意味では人間を幸せにしないのではないか」

 という問題を真剣に考えてはいない。


 百年に一度の経済危機こそ、大きく飛躍するチャンス、

 という言い方をする人もいるが、


 もしチャンスだとしたら、

 それは経済的な飛躍をしたり資産を増やしたりするチャンスではなくて、

「お金がいちばん大切」という人の心や社会の芯までしみついた考え方を

 見直すチャンスなのではないだろうか。



●どう考えても「なぜ生まれたか」などという問いには

 あまり深く立ち入らないほうが身のためだ、

 ということになりそうだ。


 もちろん、だからといって、

 人生には生きる価値もないということにはならない。


 しかし、生まれた意味にこだわりすぎると、逆に、

 人生の空しさを強く感じさせられることにもなりかねない。


 とりあえず自分に与えられている仕事、役割、人間関係に力を注ぎ、

 何かがうまくいったら喜んだり得意に思ったりすればよいし、

 そうでないときには悲しんだり傷ついたり、

 また気持ちを取り直して歩き出したりする。


 そんな一喜一憂を積み重ねながら、

 どこから来たのか、どこに向かっているのかもわからないまま、

 人生の道を歩いていくその足取りの中で、

 しみじみとした味わいや満足が得られるのではないか、

 と私は考える。



●『万葉集』 大友旅人

「世の中は 空しきものと知る時し いよいよますます悲しかりけり」



●殺到する依頼を断ったりその中からひとつを選んだりする

「断る力」を必要としている人が、

 はたしていまの日本にどれほどいるのだろうか。


 人々が本当に必要としているのは、

”誰からも依頼がない”といったときに

 自信を喪失したり自暴自棄になったりせずに、


 静かに孤独や絶望に「耐える力」のほうだ

 と言えるのではないのだろうか。



●ふつうにがんばって、

 しがみつかずにこだわらずに自分のペースで生きていけば、

 誰でもそれなりに幸せを感じながら人生を送れる。


 それで十分、というよりそれ以外の何が必要であろうか。



#読書 #人生訓