190418 神成美輝 / 『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』 読書グラフィ

読書グラフィ 今日読んだ本

★神成美輝(著)、百枝義雄(監修) / 『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』


●ゆっくり見せる


「教える」時は、1つのことだけに集中する。


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 スローモーションで見せよう!

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見ていてほしい時には、話しかけない。


聞いていてほしい時には、見せない。


「分かった?」と確認しない。



子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなものです。


子どもに動き方を伝える時には、

(1)子どもが分かるように、ゆっくり見せる。

(2)見せる時と聞かせる時を区別する。

   言葉での説明を同時にしない。



「使う指を見せる、

 言葉で説明しない、

 スローモーションで動く」

を意識するだけで、子どもの”のみこみ”はぐーっと早くなります。


私たちモンテッソーリの教師は「教え方」の練習を何度もします。

それは、子どもが何か新しい道具を扱う時に、

余計な動きをしないでスマートに本来の目的を達成してほしいからです。


子どもに何か教える際には、一度

「どのように教えたらよいかな?」と考えるといいと思います。


教える時に余計な動きを入れると、

子どもはそれも含めて覚えてしまいます。

教え方は、ムダのないものでなければならないのです。



●子どもを待つ

待ち時間は「考える力」が伸びる時間と心得る

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 子どもを待ってみよう!

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子どものペースに合わせれば、できるようになる。


大人はとにかく時間に余裕を持って行動あるのみ。


時には子ども自身に判断させる。



大人には「のんびり」に見えても、

子どもは大人が思っている以上に、考えているものです。



どうしても待てない、という時、

「今日は急いでいるからね」


手伝わないと、物事が進まない時、

「お手伝いしてもいい?」

「お母さんがやってもいい?」

と聞いて、子どもに判断させる。


ただ、子どもの気持ちを無視してお手伝いするのは絶対にやめましょう。



●察するのをやめる

知らんぷりは「伝える力」を伸ばす。

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 察してあげることをやめよう!

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目でうったえても、気がつかないふりをする。


子どもが言葉にするまで待つ。


小さな子には、「Yes」「No」の質問をする。


大人が質問することで意思を確認することができます。

コップを持ってママのところにやって来たら、

「お茶ほしいの?」


大きな子であれば、

「お茶」と言われることもしょっちゅうだと思います。

でも、きちんと言うまで親はがまん。

「お茶がどうしたの?」と子どもに聞き返します。

そして「お茶ください」と言えるまで待つのです。


察するということは、いいことと思われがちですが、

子どもの成長を考えると必ずしもそうとは言えないのです。


子どもの気持ちをくみとりすぎて、

自分で考えて言葉を使うことのさまたげになっていないか、

もう一度振り返ってみてください。



●ルールを設ける

危険なものとルールは、「同時」に与える。


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 ルールを決めよう!

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自由に遊ぶ時にも、ルールを決める。


道具の使い方のルールを教える。


使う場所を決めることで、危険を防ぐ。



「おにごっこ」など、きちんとルールがあり、

それを破ると楽しめなかったり、

お友だちとの間でトラブルになったりということが学べます。


はさみを使う時にはルールを伝えましょう。

「はさみは、危険なの。だから振り回しちゃダメ」

「この場所で使ってね。イスからは立たないでね」


危ない道具を使わせる時には、最初に、

・危険なものであること。

・使う場所が決まっていること。

をきちんと伝えましょう。


モンテッソーリの園ではおおよそ、

1歳から包丁、2歳からはさみ、3歳から針、3~4歳からアイロンを使います。

もちろんすべて本物です。

ちゃんと切れるし、ちゃんと尖っています。アイロンも熱いです。


ルールを伝えて、後は見守る。



●オーバーにほめない

子どもは「ほめられる」より「認められたい」


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 ほめるのではなく、相手を認めよう!

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すぐに「すごいね」と言わない。


「できたんだね」「よかったね」と共感する。


ご褒美でつらない。



子どもが「できた」と、何か大人に伝えてきた時、

子どもは、何度も失敗してようやくできるようになったので、

「ああ、やっとできた」「できて当たり前」「そんなにすごくはない」

と思っていたりするのです。ですから、

「そうだね。できたね」と認めてあげればいい。

もしくは、「よかったね」と共感すればいいでしょう。



できたらご褒美、というのも考えものです。

ご褒美がないと頑張れない子になってしまうからです。


同じ理由で、ほめすぎるというのも問題です。

「ほめられたいから何かする」というふうに考えるようになるからです。


子どもは親に認められる方が好きなのです。



●共感する

共感すれば、「チャレンジ精神」が向上する。

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 子どもの気持ちになってみよう!

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子どもの気持ちを想像する。


うれしいことにも、イヤなことにも、共感する。


ほめなくてよい。


「イヤイヤ」という子どもの対処法のひとつは、

「イヤなのね。でも今から〇〇するからお片づけしよう」

というように、いったん

やりたくない気持ちを大人がちゃんと受け入れるとよいのです。


大人との信頼関係が構築されれば、

大人の都合でできないことがある時でも、

「やりたかったね、でも今はできないの」というひと言で、

子どもは納得するようになります。


虫を集めてきた時など、「こんなに集めたんだね」

ほめる必要はありません。

たくさん集められてうれしい、という気持ちに「共感」しましょう。


うれしいことも、イヤなことも共感することで、

子どもとの心の距離がぐっと近くなるのです。


親から信頼を受けている、という気持ちが芽生えれば、

子どもは安心してどんどん挑戦することができるようになります。



●失敗させる

失敗を「見守る」勇気が、学力向上につながる。

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 失敗をたくさんさせよう!

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間違っていてもなおさない。


やめる寸前に声をかける。


友だちとの関係も失敗していい。



子どもは失敗から本当に多くのことを学びます。


間違っていても、あえて言わない。


もし、子どもがイライラしだして、やめようとしたなら、

その寸前に、「どうしたの?」と声をかけます。


ただ正解を教えるのではなく、

「やってみて。分からないところだけ教えるから」

と言います。そうすると、子どもは「ここが分からない」ということを、

自分で納得することができます。


勉強の心得に

「『分からないところ』が分かる、ということが大切だ」

ということがありますが、


小さい頃の失敗の積み重ねが、

「分からないところが分かる子ども」、

つまりは勉強が得意な子どもへとつながっていくのです。


(1)まずは見守る。

(2)失敗させる。

(3)イライラしたら声をかける。

(4)聞かれたら教える。


「全部分からない」と言う子もいますね。

そんな子には、最初からやってもらいましょう。

それでも上手くいかないなら、

「見ていて」と言いながら一緒にやると納得することもあります。

最初から「それじゃダメ」といったら、考える力は育ちません。


失敗してこそ考える、というのは友だち関係でも同じです。

友だち同士のいざこざにも、なるべく声をかけないようにします。

そうやって子どもは学んでいくからです。

どうやって立ち振る舞ったら、

人と上手くやっていけるかというのは、とても大切なことです。

そうして、そういう経験がないとできないものです。


人間関係も失敗していいのです。

特に子どもの頃にたくさん失敗しておくといいですね。

そうすれば、思春期になってから、大人になってからの

人間関係の難しさも、乗り越えていけることでしょう。


一生失敗しない、という人はいません。

そうであるなら、小さいうちからたくさんの失敗を経験させて、

失敗への対応能力をつけておく、失敗への免疫をつけておく方が、

将来的に大きく失敗しないことにつながると思います。


#読書 #子育て