190605 デービッド・A. アーカー『カテゴリー・イノベーション』 読書グラフィ
読書グラフィ 今日読んだ本
★デービッド・A. アーカー (著)、阿久津聡、電通ブランド・クリエ-ション・センター (訳)
/ 『カテゴリー・イノベーション―ブランド・レレバンスで戦わずして勝つ』
●コンセプトの評価
・市場はあるのか。
・競争し、勝つことができるか。
・市場はあるのか。
●1990年代半ば、二大航空機メーカー、ボーイングとエアバスは
共同で市場調査を行い、スーパージャンボ・ジェットの市場を推定した。
ボーイング747ジャンボはきわめて成功し、
当時1000機余りを販売していたが、
スーパージャンボはこれより一回り大きい機種だ。
エアバスは、調査結果から市場の大きさは1000台余りと推定し、
A380 に100億ドルをゆうに超える額を投資することを決定した。
ところがボーイングは、需要は250機と踏んで、
中型ジェット機の787に100億ドルを投資するというまったく異なる判断を下した。
787はスピードよりも効率的な運航を狙った機種だった。
両社ともこの共同調査の他に別の情報源を使ったことはいうまでもないが、
同じトレンド、同じ顧客、同じ環境を見ていたにもかかわらず
最終判断はこれほど異なっていた。
●確証バイアス
仮説を確かめるときに、自分の先入観や信念に都合のよい情報だけを選び、
その仮説を補強すること。
●トレンドを左右する 4つの要素
(1)支持する人の層の厚さ
一時的なポップカルチャーではなく
(2)価値観
はやりすたりの流行ではなく
(3)ライフスタイル
流行に乗る人々ではなく
(4)テクノロジー
マスコミがもてはやしているのではなく
●トレンドの背景には実体があり、永続する一方で、
一過性のブームには実体がほとんど伴わない。
●初期の売り上げの伸びは、過熱気味のバブルではないか。
・そのトレンドは、主流市場にどの程度広がるか。
・そのトレンドは話題だけか、それとも実際の行動に基づいているか。
・そのトレンドは、カテゴリーの枠、業界の枠を越えて表現方法を見出すか。
・そのトレンドは、将来のイノベーション予想に基づいたものか。
●インテルの80286マイクロプロセッサは、
支える技術がまだ固まっていない場合は
それに合った用途を見つけることがなかなか難しいことを示している。
1978年に始まった開発では、可能性がある50の用途が挙げられた。
その後、最終的に数十年にわたってインテルの事業基盤となったPCという用途は、
実はその50のなかに入っていなかった。
これを支える数多くの技術やソフトウェアがどう進歩するかを
予想できなかったことが、一つの理由だった。
ここからの教訓として、画期的な技術を育てることは、
最終的な用途がはっきりしない場合でも、価値があるということがわかる。
●顧客は、セグウェイのような目新しい製品の評価に苦労する。
調査結果によると、回答者はコンセプトを理解できても、
実際には、既存の製品からあまりかけ離れていなくて、
その価値がわかりやすい製品のほうを購入する確率が高い。
目新しい製品に役立つのは、一般的に流行の先端を行く人々や
オピニオンリーダー、新しいコンセプトに関心があり
直感的にわかる人からのフィードバック、あるいは
試作品のホームユーステストに基づく意見である。
●企業が変曲点を迎えているかどうかを判断する 3つの助言
(1)もっとも恐るべき競争相手が変わっていないかを観察する。
一つしか銃弾がないとしたら、どのライバルにそれを使うか。
銃の向きを変えつつあるか。
(2)感情的な議論ではなく、データをもとに議論する。
(3)「戦略の不協和音」を検討する。
#読書 #ビジネス