191230 川村真二 / 『日本人の心に響く名言』 読書グラフィ 今日読んだ本

読書グラフィ 今日読んだ本

★川村真二 / 『日本人の心に響く名言―ビジネスマンに贈る』



源実朝金槐和歌集

「ものいわぬ四方(よも)のけだものすらにも

 哀(あわれ)なるかなや親の子を思ふ」



与謝野晶子 『恋ごろも』 君死にたまふことなかれ


 ああをとうとよ、君を泣く、

 君死にたまふことなかれ

 末に生れし君なれば

 親のなさけはまさりしも、


 親は刃をにぎらせて

 人を殺せとをしえしや、

 人を殺して死ねよとて

 二十四までををそだてしや。


(後略)



●暁烏 敏(あけがらす はや)


「十億の人に十億の母あらむも

 わが母にまさる母ありなむや」



●白楽天


「ともしびを背けてはともに憐れむ(あわれむ)深夜の月

 花を踏んでは同じく惜しむ少年の春」


 友と二人、灯火を壁に向け澄んだ月光を楽しみ、

 落花を踏んで、行く青春を惜しもう。



島崎藤村若菜集


 まだあげ初めし(そめし)前髪の

 林檎のもとに見えしとき

 前にさしたる花櫛(はなぐし)の

 花ある君と思ひけり


 やさしく白き手をのべて

 林檎をわれにあたへしは

 薄紅の秋の実に

 人こひ初めしはじめなり


※かつて教科書で読んだときはそうでもなかったが、

 今になって読み返すと良い感じに思う。



平兼盛『拾遺(しゅうい)和歌集』


「しのぶれど色に出にけり(でにけり)わが恋は

 ものや思うと人の問ふまで」


 人に知られないようにひそかに抱き続けてきたこの恋心。

 でも恋する者の切なさは、ふともらす吐息にも表れてしまったらしい。

「お顔の色がすぐれませんが」、「恋でもしましたか」と人が問うまでに。



●恋は本来、忍ぶ恋である。

 おおっぴらな人前で平気でベタベタするようなものは、恋とは言えない。

 忍ぶ恋は片思いもそうだが、相思相愛の恋も、

 人目をはばかる恋は、すべて忍ぶ恋だ。

 だから逢瀬が嬉しいのである。



吉田松陰

「生死の悟りが開けぬとは愚かゆえ詳しく述べよう。

 十七、八の死が惜しければ三十の死も惜しい。

 八、九十、百になってもこれで足りたということはない。


 虫のように半年の命のものもあり、これで短いとはいわない。


 松柏のように数百年の命もあるが、長いとも言えない。

 天地の悠久に比べれば松柏も蝉のような命だ。


 何年生きたら気がすむことか、目途はない。


 五十年かせいぜい七十年で死ぬ。


 長い、短いではなくて、

 命のある間に、何か腹のいえるようなことをやって死なねば

 人生の満足はないぞ。」



吉田松陰


 高杉晋作

「男子たるもの死すべきところはどこか」という問いに答えて


「死は好むべきものではない。また憎むべきものでもない。

 己の道を貫いて生き、心が満足したとき、それが死に場所である。


 身は生きながら心は死んでいる者がある。

 身は亡んでも魂が残る者もいる。


 心が死んでしまえば生きる益はない。

 魂が残れば身は亡んでも損はない。


 死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし。

 生きて大業の見込みあらばいつでも生くべし。


 よって生死のことは度外して生きるべきである。」




#読書 #人生訓

 

 

川村真二 / 『日本人の心に響く名言―ビジネスマンに贈る』