200714 河野英太郎、田中ウルヴェ京 /『99%の人がしていないたった1%のメンタルのコツ』

読書グラフィ 今日読んだ本

★河野英太郎、田中ウルヴェ京 / 『99%の人がしていないたった1%のメンタルのコツ』



●じつは心理学の世界においては、

「集中」というものはないとされています。


 あるのは「注意配分」だけ。


 つまり、必要なものに、

 必要なだけの注意力を振り向けられることが大事なのであって、

 集中とはその配分がうまくいった状態のことなのです。



●それぞれの場面において、

 どんなタイミングで、どの部分に、どれだけの配分で注意を振り向けるかを

 的確に判断できることこそが、私たちにとって必要な「集中」なのです。



●自分をうまく集中に導きやすくする方法も、

 いくつか覚えておくといいでしょう。


 たとえば、決まった課題に取り組むとき、

 集中しやすくなるような作業手順(ルーティン)を決めておくこと。


 逆に、いつも自分が集中できなくなるのはどんなときか考えて、

 集中を妨げる特定のものごとを避けるようにすること。


 自分の視線をコントロールして、集中を導くこと。

 あるいは、周りの音、聴覚に集中して集中力を高めること。



●集中の4つのタイプ


 スポーツでよく使われる2つの軸で分類。

(軸1)「対象の広がり」

 一点に集中する ←→ より広い範囲に注意を向ける


(軸2)「注意の向き」

 自分の内面に向き合う ←→ 自分以外の対象に注意を配分する


(集中1)ひとつのことを自分の内面だけで完結する。

(集中2)広い範囲のことを自分の内面だけで完結する。

(集中3)ひとつのことを多くの人とともに取り組む。

(集中4)広い範囲のことを多くの人とともに取り組む。


「集中のタイプ」によって、使う能力や求められる環境が変わってきます。



●Routine(ルーティン)

「日常の仕事」「型にはまった所作」などの意味がありますが、

 語源はフランス語や英語で、

「そこに至る道筋」を意味するRoute(ルート)という言葉に由来します。



●アイ・アクセンシング・キュー

 NLP神経言語プログラミング)という心理療法の考え方。

 人の目の動きと脳の動きの関係を説明しているもの。


 目を下に向けているときは、自分の過去の体験を思い出していたり、

 自分自身と向かったりしている状態であると言われています。


 あえて下を見ることで、集中が可能になるということです。



●100マス集中ドリル

 0から99まで、ランダムに並んだ数字を順に数えていく。



●全会一致で物事を前に進めようとしている大勢の側にいるときにこそ、

「これが『そうではなかった場合』、どうだろう?」

 というシミュレーションをしてみることが重要である。


『What If Question(もし仮に○○だったら問答)』



●その人になったつもりで考えてみると、

 自分目線だけでは理解できなかったことがわかったり、

 解決できなかった問題の糸口が見えたりします。


 マーケティングやデザインシンキングの手法でも、

「ペルソナ」という想定人格をつくって、

 この人なら何を考えるのだろうか、

 どういう行動をとるのだろうか、という視点で議論することがあります。



●自分にネガティブな感情を持つことを許す


 何かうまくいかないことがあったときに暗い気持ちになったり、

 外部からの刺激に対して防衛的になったりするのは、

 生存本能から考えても自然なこと。


 ネガティブ思考の問題のひとつは、

 そのつらい状況を誰かのせいにしてしまうことです。


「心理学に受動態はない」という有名な言葉があります。


 すなわち「あの人のせいで嫌な気分にさせられた」のではなく、

 単に「あの人にたいして 腹を立てている自分がいる」だけなのです。


 ある刺激に対してどう考えるかは相手の問題ではなく、

 自分次第ということです。


 ネガティブに考えることのもうひとつの問題は、

 その気分を放置してドンドン溜め込んでいくこと。


 未来に向けて何のためにもならないのであれば、考えるだけ無駄です。


 自分自身に対するネガティブな気持ちというのは、

 成長のための原点であり前進のためのエネルギーです。


 これがなくなった人には成長はありません。


「今の自分より良くありたい」と思うからこそ、

 自分自身へのネガティブな言葉が生まれるのです。


 ただ、そのネガティブなエネルギーを他人にぶつけたり、

 自分の中に溜め込んで引きこもったりしてしまうことが問題なのです。


 ネガティブな言葉を持つこと自体を、

 前向きにとらえてみてはいかがでしょうか。



●自分の気分を実況中継する

 他人の悩み、問題について、

「悩むほどのことじゃない」「こうやって対応すれば」

 などと思うこともあるでしょう。


「第三者の視点で見れば大したことではなかった」とか

「当事者になると事態を深刻に捉えがちになる」ということを示しています。


 この心理を活用しながら自分自身の考え方をポジティブに変えていくために、

 メタ認知能力を活用したセルフトークが役立ちます。


 自分を主人公にして、実況中継をするようなイメージです。


例「僕は今、こんなことで怒りはじめている状況です」

 といったセルフトーク


 そうすると続けて、

 意外に冷静なもう一人の自分がコメントを返していくわけです。


 自分の性格や過去の思考、行動を世界中で最もよく知っている人、

 それはすなわち自分です。


 そんな自分から自分自身に向けたコメントが口をついて出てきます。


 一見困難に見える状況でも、自分で解決できるようになります。



#読書 #人生訓