191026 チャールズ・エリス / 『チャールズ・エリスが選ぶ大投資家の名言』 読書グラフィ

読書グラフィ 今日読んだ本

★チャールズ・エリス(編著)、鹿毛雄二(訳) / 『チャールズ・エリスが選ぶ
大投資家の名言』



※敗者のゲームのくだりが大好き。



バーナード・ショー

「人間とは、経験とともに賢くなるものではなく、

 経験から学ぶ能力に応じて賢くなるものである。」



●ダグラス・H・ベルモア


「攻め」の投資で成功するためのパーソナリティ(抜粋)


・忍耐力

 割安株がその本来の株価に追いつき、

 キャピタルゲインを生むようになるまでには、何年という時間がかかる。


・勇気

「攻め」の投資家は、自分の方針に反対する人を押し切れるだけの

 確固とした信念と勇気と、そこから生まれる自信を持たなければならない。


・知性

 天才的な知性は必要ない。人並みの知性で十分足りる。

 しかし、知性だけでもうまくはいかない。常識も重要だ。

 常識とは、状況判断を下す現実的な能力のことである。


・精神的な安定

 市場をとりまく強気、弱気のムードにいちいち振り回されないためには、

 精神的に安定していることが欠かせない。


 しかも、事実と、情緒の色眼鏡で見た幻想とを、

 冷静に区別するためにも重要なのだ。


・ハード・ワーク

「攻め」の投資には、綿密なリサーチが欠かせない。


分散投資という鎧を脱ぎ捨てる意思

 分散しすぎると、一部の損失を他の儲けで埋める一方、

 ポートフォリオ全体としてのリターンを押し下げるからである。



●バーナード・バルーク

 ほとんどの事実は

「感情というカーテンをまとって」ウォール街に伝達される。



●敗者のゲーム


 サイモン・ラモは、その著作『初心者のための驚異のテニス』の中で、

「勝者のゲーム」と「敗者のゲーム」の最も重要な違いを指摘している。


 何十年もの間、テニスをプレーしてきた彼は、

 プロのテニス・プレーヤーやトップのアマチュアの「テニス」と、

 それ以外のほとんどのプレーヤーの「テニス」とは、

 まったく異なっていることに気づいた。


 どちらのテニスも、同じ道具やウェア、ルールが用いられ、

 同様のエチケットが通用する。


 しかし、二つのテニスはまったく違うスポーツである。


 詳細な科学的・統計的分析を経た上で、ラモ博士はこう結論づけた。


 プロは自分で得点を勝ち取る。

 アマチュアはミスで得点を失う。


 プロのテニス・プレーヤーは、ボールを強く打つことができ、

 コントロールもよい。エキサイティングなラリーも長く続く。

 プロのプレーヤーは、滅多にミスをしない。


 プロのテニスこそ、「勝者のゲーム」である。

 そこでは、ゲームの結果は、勝者の行動によって決まる。

 勝利は、相手よりも多くの点をもぎとることによってもたらされる。

 単に相手より多くの点をスコアしたというのではない。


 アマチュアの世界はこれとはまったく違う。

 ナイスショットや、長くてどきどきするようなラリーは滅多にない。

 ボールはしばしばネットに引っかかり、コートの外に出る。

 ダブル・フォールトも珍しくない。

 アマチュアのプレーヤーが、相手に「勝つ」ことはあまりない。

 ほとんどの場合、自滅してしまう。


 このようなゲームでももちろん、勝者は敗者よりも多くの得点をマークする。

 しかし、重要なのは過程の違いだ。

 勝った方は相手よりもミスが少なかったに過ぎない。

 より多くの点を「取った」から勝ったのではない。


 ラモ博士は、通常の得点計算の方法の代わりに、

「自分で勝ったポイント」と「ミスして失ったポイント」の数をそれぞれ数えた。

 この結果、プロの試合では

 全ポイントの8割が「勝ち取った」ポイントであるのに対し、

 アマチュアの試合では逆に全ポイントの8割が

「相手のミスによる」ポイントである、という結果が得られた。


 言い換えれば、プロのテニスは「勝者のゲーム」、

 つまりゲームの勝敗は勝者自身の行為によって決定されるのに対し、

 アマチュアのテニスは、「敗者のゲーム」、

 ゲームの結果は敗者の側のミスによって決まる。

 この二つのゲームは、本質的にまったく対照的なのである。


(中略)

 ラモ博士は、普通のプレーヤーでもテニスに勝てる方法を提案している。


 勝つための方法は自分自身の失点を減らすことである。


 ミスを減らしてボールを返し続ければ、

 相手がミスをする確率もそれだけ高くなる。



●モリソン提督 『戦略と妥協』


「他のすべての条件が同じならば、戦略のミスを最小にする方が戦争に勝つ。」



●投資のライフサイクル仮設

 人間と同じように、企業にも

「成長」「成熟」「老化」の三段階のライフサイクルがある。



●重要なのは、

 企業のライフサイクルと経済全体のサイクルを混同しないことだ。


 景気のサイクルは企業のライフサイクルよりもはるかに周期が短い。

 成長過程にある企業の収益力は、

 景気サイクルを経るたびに拡大していくのである。



●フィネアス・T・バーナム ビジネス10訓

(1)自分の生まれつきの性格に合ったビジネスを選ぶこと。

(2)約束は必ず守ること。

(3)何をするにしても一生懸命やること。

(4)飲みすぎないこと。

(5)理想に走りすぎないこと。

(6)エネルギーを無駄に分散しないこと。

(7)優秀なスタッフを雇うこと。

(8)自分のビジネスをPRすること。

(9)浪費を避けること。

(10)他人に頼らないこと。

 周囲の人を頼りすぎないことである。

 自分の成功は自分でしか築き上げられない。



●テンプルトン卿の教え(抜粋)

・長期投資の目的はただ一つ。税引き後のリターンを最大化することである。

・大多数の人々と違うことをしなければ、

 高いパフォーマンスを上げることはできない。

・市場が最も悲観的になっている時こそ、買いのチャンスである。

 市場が最も楽観的になっている時こそ売るべきだ。


・長期的には株価指標は、

 一株当たり利益の長期的成長ラインに沿って上下しながら動く。


自由経済社会では、

 企業収益は(簿価ベースの)設備投資の更新需要に左右される。


・みんなと同じ証券を買えば、みんなと同じパフォーマンスになる。


・短期投資家が売り終わった時こそ買い時である。

 彼らの買いが終わった時こそが売り時である。


・株価は本来の価値よりもはるかに大きく変動する。したがって、

 インデックス・ファンドの総リターンは常にほどほどにとどまる。


・ほとんどの投資家は、「トレンド」や「短期的見通し」を重視しすぎる。

 だからこそ、むしろ「本来価値」を見極めなければならない。


・今の資産よりもはるかに割安のものに買い換えるのでなければ、

 その資産を売ってはならない。


・銘柄選定の特定の手法が脚光を浴びたら、

 それ以外の手法に変更すべきである。


・いつも同じ資産を選んではならないし、

 いつも同じ銘柄選択手法をとってはならない。


 投資家は常に柔軟でなければならず、

 固定観念にとらわれてはいけない。


株式投資では、銘柄選択手法こそが成功の鍵である。


・集団的意思決定によって高いパフォーマンスが得られることはない。

 自分一人で決めることだ。


・株式をある銘柄から別の銘柄へと乗り換える場合、

 後者が前者よりも5割以上価値が高いのでなければ、ペイしない。



●ディーン・マシー(抜粋)


・極端な状態は長続きしないものだ。

 天国にまで上る梯子などない。

「新しい時代が来たのだ」などと叫ぶ人もいるかもしれないが、

 従来からの法則はやはり有効だろう。


・楽観的であろうとするのは誤りではない。

 しかし同時に、最悪の事態をも予想しておくことだ。


・たいていの人は、景気のよい時にお金を借り、

 景気が悪くなってから返済する。

 これは本来取るべき行動とはまるで逆である。


●ロイ・ノイバーガー 5つのルール

(1)常に柔軟であれ。

(2)自分がどんな性格の人間であるかを見極めて運用を行うこと。

(3)リスクを分散すること。

(4)勝つ方法は一つではない。

(5)常にものごとを疑うこと。


 古い格言を使うなら、

 ①自分の金脈は自分で探し当てろ。

 ②一歩離れてみること。

 ③そこらじゅうに"カモ”がいる



#読書 #財テク