190323 轡田隆史 / 『「考える力」をつける本』 読書グラフィ

読書グラフィ 今日読んだ本

★轡田隆史 / 『「考える力」をつける本: 本・ニュースの読み方から情報整理、発想の技術まで』



●「大きく」考えないほうが「大きいこと」は理解しやすい。

ともすればわたしたちは、

「大きいこと」を考えようとすると、

「大きく」考えてみようと構えてしまう。


ところが、現実には、

「世界」という現実と言葉はあっても、

「世界」というものはない。


いろいろな国々の、人びとの動きや営みの、

細かな一つひとつが積み重なって、渦を巻いている。


その全体を、便宜的に

「世界」と呼んでいるだけなのである。


だから、「世界」について考えるためには、

まず身のまわりにあるものの中から、

「世界」を発見してかからなければならない。


「世界」を見る目は、自分を見る目でもあるはずだ。



●古い諺(ことわざ)「葦(よし)の髄(ずい)から天井のぞく」


細い管を望遠鏡のように目にあてがって天井を眺めても、

全体を見ることはできない。


狭い見聞にもとづいて大きな問題を判断してはいけない、

という戒めである。



アイルランド スイフトガリバー旅行記



チェコスロバキア 建国の父 初代大統領マサリク


「細かい仕事へと自らを強いて、倦まず(うまず)たゆまずおこなうこと」

出展:石川達夫『マサリクとチェコの精神』


「意識的な民主主義者になること、

 あらゆる行為において民主主義者となること。

 それには我々はまだ遠い」。



ハムレット

「考える心というやつ、

 もともと四分の一は智恵で、

 残りの四分の三は臆病にすぎないのだ」



□『うまい!と言われる文章の技術』



●「なぜ?」と問いかけつづけることによって、

 枝葉末節は整理されて、

 その底から、「考え」の本質ともいうべきものが、

 ゆっくりと姿を見せてくる。


 「考え方」とは、

 自らに「なぜ?」と問いかけながら

 深さを獲得してゆく方法ではなかったのか。


 多くを考えて、多くを捨てる。


 「考え方」とは、

 問いかけによる「削り方」なのである。



●情報は

「情報」という名札をつけて、

 そこらに転がっているものではない。


 人間が、その気にならないかぎり、

「情報」というようなものはない。


 美しい花というものがあるのだろうか。


 それとも、花を美しいと思う人間の心があって

 はじめて「美しい花」も存在することになるのだろうか。


 そういう命題がある。


 情報はしかし、人間が存在しなければ、存在しない。


 情報は、人間それぞれの生き方に応じて、

 存在したり、存在しなかったりするものであるらしい。



●ビジネスマンのための十か条


 組織とのつき合い方は二つある。


 まず、歯車と化す生き方、

 そして人間として自立しながら楽しく仕事する生き方。


(1)社会や組織の中に生じる毒ガスを

   鋭敏にかぎとるように努める。


 例:バブルの「毒性」を見抜いて、その渦中に入らなかった企業。


(2)想像力の大切さを自覚しよう。


 組織が大きくなればなるほど、

 組織というものは想像力を排除するようになりがちであることを

 承知しておきたい。


(3)自分自身を笑える人でありたい。


 これは、自分および組織を客観的に見て

 批判できることをも意味する。


 自分や組織を愛することは、

 欠点に目をつぶることではない。


 あらゆるものに対する豊かな批判精神こそ、

 あらゆるものを救う源となる。


 自分自身の滑稽な姿を、こころの中に思い描け。


 それは、自嘲とも違うこころの働きである。


(4)組織から抜け出して、他の組織を観察せよ。


(5)マナーの人であれ。


 頼むときには、上下の別なく礼を尽くせ。


 飲み屋のマナーを大切にしよう。

 そこは公共の社交の場である。


 礼儀こそ、人間の基本である。


(6)自腹を切って遊べ。


 酒は身ゼニを切って飲んでこそうまいのだ。


 ただし、先輩・後輩で飲んだら、

 何度かに一度は先輩がおごれ。


(7)詩を読む人であれ。


 言葉が最も美しく劇的効果を上げるのは詩である。


 詩集を、年に一、二度でいいから買おう。

 それはあなたの人生を確実に豊かにしてくれる。


 人とのつき合いも、組織とのつき合いも

 言葉によって成り立っているのだ。


「つき合い」を大切にする人は、言葉を大切にする人。


(8)歴史を学ぶ人でありたい。


 たとえば、アジアでビジネスをする人が、

 日本とアジアの関係についての歴史を知らなければ失格である。


 自分の所属する組織の歴史に精通すべし。


 他を知るには、まず自分を知らなければならないからだ。


「歴史は未来を映し出す鏡」と何度でもいっておく。


(9)ユーモア精神こそ、人間の精神で最も大切なものの一つ。


 アメリカの作家 カート・ヴォネガット

 ユーモアについてこう記している。


 人間の心の底に潜んでいる生存の本能に活気を与え、

 創造的な活動をうながすものがユーモア。


(10)現状の認識についてはやや悲観的に。

    しかし、未来と将来の展望については楽観的に。


 仕事の締め切りまであともうわずかに三日しかない。

 こりゃいかん。

(そこで気をとり直して)

 しかし、三日あれば何とかなるさ、さあやろう!


 まあこんな感じ。


 何ごとも、がっかりし過ぎたらそれでおしまいなのである。


 オレほど悲観的な人間はいない。


 そう思い込んでいる人は、

 そう思い込んでいられる点において、すでに楽観的なのである。


#読書 #人生訓