190521 藏原これむつ / 『神道的生活が日本を救う』 読書グラフィ 今日読んだ本
読書グラフィ 今日読んだ本
★藏原これむつ / 『神道的生活が日本を救う』
※いわゆる宗教本ではありません。
●証券会社の多くは2月の初午祭(はつうまさい)を大事にしている。
「初午祭」とは、毎年2月最初の午の日(初午)の頃に行われる祭礼のこと。
(出展:デンソー facebook
https://www.facebook.com/DENSOCorporation/posts/1659623817437585/)
●民俗学者 柳田國男 「ハレ」と「ケ」
・ハレ(晴)とは、神社の祭礼や、一般的な年中行事、
または冠婚葬祭などの儀礼が行われる日やその状態を指し、
ケ(褻)はそれ以外の普段の生活を指す。
端的に言えば非日常と日常である。
一番わかりやすいのが年末年始だろう。
三百六十五日、日常のケを重ねてきて、
ケを締める行為、つまり「ケジメ」という行為が生まれる。
それが年末の大掃除や忘年会だ。
そして正月をハレの日として、
普段はあまり口にしないおせち料理をいただくのである。
●柳田氏の門下 桜井徳太郎
ケが枯れた状態が「ケガレ」であり、
それが神祭りによって、ハレに回復すると唱えている。
●伊勢神宮では、十月に神嘗祭(かんなめさい)が行われる。
これは神宮の神田で収穫された初穂をお供えして祭儀を行う、
いわゆる収穫祭である。
この神嘗祭を行うにあたって、神宮では祭具をすべて新しく作り直す。
二十年ごとに伊勢神宮は大規模なリニューアルを行っている。
式年遷宮(せんぐう)というもので、社殿や鳥居、橋なども新しくするのだ。
●「打ち合わせ」という言葉があるが、
これは雅楽の楽人(がくにん)が奏でる前に、
笏拍子(しゃくびょうし)や太鼓を打ち、
他の楽器が合わせるリハーサルが元になった言葉である。
●「後の祭り」には「手遅れ」ともうひとつ意味がある。
祭りの後、神さまにお供えした神饌(しんせん)を下げ、
祭りに関わった人たちで宴会をするという「後の祭り」である。
「直会(なおらい)」。れっきとした祭典の行事のひとつだ。
●日本の神(カミ)は「Kami」であり「God」ではない。
Godは一神教、特にキリスト教の神という意味合いが強い。
日本人にとっての「カミ」とは、八百万(やおよろず)の神であり、
万物に宿ると考えられてきたほどの幅広さを持っている。
●ポルトガルの宣教師 戦国時代
伝えるべき内容を可能な限り和訳して布教活動をしていたが、
「Deus」はそのまま「デウス」で通したという。
Deusはラテン語の「神」だが、日本の「神」とはまったく違うということを、
彼らは理解していたのである。
●神社はShrineではなく、そのままJinjyaでよいと思う。
Shrineは社(やしろ)の意味もあるが、聖体容器という意味であり、
廟(びょう)のこと、あるいは霊所を表す。
廟というのは使者の霊を祀る所であり、神社とはまったく違う。
明治天皇の一般のお墓に相当する、
いわゆる御陵(ごりょう)は京都の伏見にある。
明治神宮には「御魂(みたま)」がお祀りしてあるのであり、
ご遺骨が安置してあるわけではない。
太宰府天満宮も菅原道真公をお祀りしているが、
菅原道真公のお墓ではない。
日光東照宮も徳川家康公のお墓ではない。
●『古事記』と『日本書紀』
●「明けましておめでとうございます」とは、
「新しい年があなたにとって、おめでたくありますように」という、
相手への願いが込められた挨拶なのである。
●祝詞(のりと)で悪い言葉は使わない。
良い言葉、良い文句を並べて申し上げるのである。
その人(祈願者)を祝福し、健康、安全、幸福が訪れるように、
維持されるように願いを込める。
良いことを言えば、良いことが起こる。
悪いことを言えば、悪いことが起こる。
祝詞は唱えることでその霊力が発揮される、言霊信仰の典型である。
結婚式で「ケーキを切ります」とか
「これで終わります」などとは言わない。
「入刀します」「お開きにします」と言い換える。
スルメを「あたりめ」と言うのも「掏る(する)」を連想するからだし、
葦(あし)は「悪し」に通じるとして「よし」と言う。
「よしず」のそれである。
言葉は大事で、言葉に大きな力があると考えられてきた。
そのことは現在にも当たり前のようにしっかりと受け継がれているのである。
●クリスマスとはキリストの降誕祭であり、キリスト教の宗教行事である。
これが日本に伝わったのは天文(てんぶん)年間で、
フランシスコ・ザビエルら宣教師が日本にやってきた頃とされているが、
普及し始めるのはもっと後になる。
明治以降、商業的な部分からクローズアップされていき、
サンタが赤い衣装であるのも、某飲料メーカーのコマーシャルの産物だった。
●”Merry Christmas & Happy New Year"
イタリアやフランス、スペインなどのカトリックの影響が強い地域では、
十二月二十五日から一月六日までがクリスマスの期間なのである。
飾りつけがはずされるのは七日であり、
日本で正月飾りを取る日と同じなのは面白い。
●お正月のお飾りの準備は二十八日までに終わらせよう。
二十九日は「苦立て(くたて)」、
三十一日に準備するのは「一夜飾り(いちやかざり)」といって忌み嫌う。
●「おてんとさまに見られてるよ」とか、
「そんなことをしては、おてんとさまに申し訳ない」
社会でどう評価されるか、周囲にどう見られるか、ということ以上に、
「おてんとさま」に恥じない生き方をしているかどうか
のほうが重要ではないだろうか。
●大晦日は「おおつごもり」とも読む。
大晦日の夜に早く寝ると、白髪になる、顔にしわが増える、
といった俗信がある。
大晦日に鳴らす除夜の鐘の「除夜」とは、眠らない夜の意味であり、
もともと大晦日の夜は「年籠り(としごもり)」といって、
氏神(うじがみ)さまのいる神社に「おこもり」をしたり、
家にいて寝ずに神さまを迎えるのが慣わしだった。
●もともと「お年玉」も餅であったと言われている。
鏡餅とともに小さい餅を作り、お供えし、それをいただくことで、
歳神さまの御神徳(ごしんとく)を賜るというわけだ。
年玉はつまり「年霊(魂)」である。
#読書 #人生訓
神道的生活が日本を救う (講談社+α新書) 9,227円 |