190622 リチャード・ヴィートー / 『ハーバードの「世界を動かす授業」』 読書グラフィ
読書グラフィ 今日読んだ本
★リチャード・ヴィートー、仲條亮子 / 『ハーバードの「世界を動かす授業」
ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方』
●経済を成長させるための4つの資源
(1)インフラ整備
水道、電力、道路、鉄道、航空交通、通信など
(2)技術
・自分たちの技術を開発する。
・他国から技術を買う。
(3)資本
・国内での調達。
・対外債務。
・外国からの直接投資
(4)人材
・教育とスキルの問題。
・ドイツ
優秀な職業訓練学校があって、
機械の分野においては世界一とも言える。
・米国
物理学の博士号取得といった高等教育が非常に優れている。
・日本
初等教育と中等教育がとても優秀で、欧米諸国をはるかにしのいでいるが、
大学院レベルの教育でおくれをみせている。
●国家分析 3つの枠組み
さまざまな国々の状況を繰り返し見ていくことで、
世界の国々がどのような目的に向かって国を動かそうとしているか、
その読み解き方が身についてくる。
(1)経済動向から、社会的・政治的状況を見つめるという手法をとる。
見方さえわかれば、数字のほうがより明確である一方、
社会的・政治的状況を判断するのは簡単な作業ではない。
(2)国家の目標、戦略、政策は何かをリストアップする。
明らかにされているものから、漠然としたものまで、
すべて「国を特徴づけるもの」と考え、分析項目に組み込んでいく。
・国の目標
成長戦略 / 経済的な独立性を高める / 防衛力強化 など
・財政政策、金融政策、産業政策、通商政策、投資政策、所得政策・・・
(3)その国の戦略が国家を取り巻く状況に合っているかどうか。
その国のその戦略によって、
どのような利益や成長がもたらされるのかといった点まで掘り下げる。
・国民所得勘定(ある期間に財やサービスがどれだけ新たに生みだされたかを
推計把握するもの)、GDP(国内総生産)、その要素、インフレ率、
雇用状況、単位労働コスト、生産性、為替レート、国際収支 など。
●国民は自分たちが重要な責任を持っていることを理解する必要があり、
政府に対して
補助金などといった過度な支出を要求しつづけていくべきでない。
もし政府にサービスを求めるなら、
市民はそれ相応の義務を果たす必要がある。
つまり、たとえばより高い税金を納めるということなどだ。
多くの国々では、政府支出と税金というのは異なる方向へ進むものである。
政府があらゆる公共投資プログラムを行っているなら、
消費税は上がってしかるべきである。
●教訓のまとめ
(1)政府は基本的な財産権を保障しなければならない。
(2)政府は健全なマクロ経済政策を維持しなければならない。
(3)インフレを生じさせずに成長するためには、強力な中央銀行が必要である。
(4)もし各国がグローバル経済の中で競争力を増そうとするのなら、
貿易や投資の障壁を撤廃し、民営化を図るなどの、
ミクロ経済の自由化がいずれは必要になるだろう。
(5)労働市場の柔軟性は、生産性を高め競争力を促進するために重要である。
(6)資源マネジメントは慎重に行わなければならない。
(7)政府は汚職を取り締まらなければならない。
(8)政府は公正な所得分配を確約しなければならない。
このような見解に異論を唱える人もいるだろうが、
所得の分配が劣悪であっては市民社会は存在しえない。
(9)政府は貯蓄と投資を刺激すべきである。
(10)政府は国際収支面での
持続不可能な経常収支の不均衡を許してはならない。
#読書 #ビジネス