190421 神成美輝 / 『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』 読書グラフィ

読書グラフィ 今日読んだ本

★神成美輝(著)、百枝義雄(監修) / 『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』


●まねしたい!を利用する

片付ける子になるコツ(1)


園ではおもちゃの数を非常に少なくしています。

わざと置かないのです。そして分類して置いています。


おもちゃの分類には、カラーボックスが役立ちます。

カラーボックスを横に置いて、

それぞれの区切りに3つ。上に3つおいて、合計6つ。

はいはいからよちよち歩きの子どもであれば、このくらいで十分です。


大きくなったら、今度はカラーボックスを縦に置いて

各ボックスにケースを入れて、ブロック、おままごとなど、

分類して分かりやすくするとよいでしょう。


まだ文字が読めない子どもであれば、

ボックスに写真や絵を貼るなどして、

何のボックスなのか分かりやすくしておくと、

子どもは片づけをしやすいと感じます。



大切なのは、毎日同じところにママが片付けることです。

それを見ていれば、子どももまねをして同じところに置くようになります。


環境が整っていれば子どもは片づけるようになります。


今ある玩具が多過ぎるなら、好きなものを選んで、

後は押し入れに入れておきましょう。時々入れ替えればいいのです。


よく見ていると、子どもは繰り返し同じおもちゃで遊んでいませんか?


興味のないものまで出しておいて、

ぐちゃぐちゃにされるよりよほどいいはずです。



●「同じじゃなきゃヤダ!」を利用する。

おもちゃだけでなく、

持ちものも場所を決めておくと片づけられるようになります。

シールを貼ったりしてもいいですね。


ものだけでなく、行動の場所も決めておくと、子どもは安心するものです。


例えば、トイレトレーニング。

適当な場所でおむつを脱ぐのではなく、

たとえリビングであってもおむつを替える場所を決めておくとよいのです。


小さなマットなどを敷いて、

いつも同じ場所でおむつを脱ぐようにします。


ゴミ箱や替えのおむつも、いつも同じ場所に置いておきましょう。


いつも同じことを、同じ場所で。

そうすることで、子どもは頭と行動を整理しやすくなるのです。



モンテッソーリ園では、歩けるようになった0歳児から、

食器の片づけもします。

もちろん割れる本物のお皿やガラスのコップです。


まだよちよち歩きであっても、

毎日同じ場所にお皿とコップを置く場所を決めておけば、

上手にバランスをとりながら、

自分でお皿やコップを持って片づけできる子どもになるのです。



●「できるもん!」を利用する。

「危ない、危ない」と言って、

はさみや包丁から遠ざけてばかりいては、

いつまでたっても上手く使えるようにはなりません。


はさみであれば、持ち方や使う時のルールをきちんと教えてあげて、

まずは短い「線」から切る練習をするなど、

一定のルールを守っていればそんなに怖がることはありません。

もちろん、しばらくはそばで見守っていることは必要です。


ただ、あまり注意をし過ぎると、子どもの気が散るので、

本当に危ない時にだけ手を出すという距離感を、

親が上手につかめるといいなと思います。


歩いていると危ないからといって、

いつまでもベビーカーに乗せているのも考えものです。

危険を回避し過ぎたことで、

かえって子どもに悪い影響が出てしまう(扁平足など)のは残念なことです。


モンテッソーリ園の0歳児クラスには、

大きな鏡とその前に取り付けられた

直径2センチくらいのバーをよく見かけます。


鏡で自分の姿を確認することは、

アイデンティティーの確立にも役立ちます。


バーがあれば、ひとりでつかまり立ちも、

つたい歩きをすることもできます。


無理に立つ練習などをさせなくても、

みんな自ら鏡のそばに行き、

バーにつかまって屈伸運動をしています。


環境を調えるだけで子どもが伸びる、

ということがこの様子で実感できます。



●道具の選び方に気をつける

1歳くらいまでのこどもは、

5本指で使えるものを選ぶようにします。


両手に取っ手がついたコップは、5本指で持つことができないため、

小さな子には非常に使いづらいのです。


また、プラスチック類は使いません。

0歳でも小さいサイズのガラスのコップを使います。

ガラスのコップは安定感があり、子どもも慎重に扱うようになります。


保育園では

デュラレックス「ピカルディー」130ccサイズのコップ

を使っていました。

 

 

※最新価格はご確認ください。

 

ある男の子のママが思い切って、

全部のお皿を「ノリタケ」に変えたそうです。

そして、「これは割れるし、高級品だ」と言い聞かせたら、

まったく投げなくなったといいます。


小さな子でも、「割れる、割れない」「安物、高級品(!)」

が分かるのです。



子どもが使うものは

・サイズ

・重さ

・壊れにくさ

・扱いやすさ


洋服であれば、小さい頃は脱ぎ着しやすくてボタンのないもの、

5本指でも握りやすいクレヨン、子ども用の包丁など、

子どもの成長に合わせて必要な道具を選ぶようにしましょう。


道具が適切であれば、

子どもは早くいろいろなことをマスターできるようになります。



●常に本物に触れさせる


モンテッソーリの園には、

「色板」「ピンクタワー」「音感ベル」など、

「感覚教具」と呼ばれるものがあります。


これらは、それぞれ、色や感触、音階などを、

比較したり並べたりすることで、

身体を使って感覚を学ぶためのものです。


本物に触れるということも、とても大切です。

写真やDVDでは分からない、本物のよさというものがあります。

花、動物、乗り物。なんでも同じです。

動物園に行って、匂い、動きを感じることが大切なのです。



●大人も環境の一部と心得る。


子どもの言葉遣いは、親の言葉遣いそのもの。

丁寧に話してほしかったら、

親も子どもに向かって丁寧に話さなければなりません。

あいさつもしかり。

まずは親がしっかりあいさつの見本を見せましょう。


子どもは親の言っていることをよく聞いています。

例えば夫へのグチを常に口にしていたら、

子どもも「パパは悪い人なのか」と思ったり、

「悪口は言ってもいいんだ」と学ぶようになります。


もし、子どもが悪口を言うようなことがあれば、

「悪口を言っちゃダメ!」などと頭ごなしに叱るのではなく、

まずはなんでそんなことを言ったか、

「何があったの?」

と、子ども自身に理由を聞いてみます。


相手の気持ちがちゃんと想像できるようになっている

4歳以降の子どもには、

「でもそんな言い方をしたらお友だちは悲しいよね」

「こんな言い方できるんじゃない?」


悪口をそのまま見過ごさず、

とはいえ頭ごなしに叱らない対応ができたらと思います。


親、祖父母、先生は、

同じ方向を向いて子育てをすることが大切です。


少なくとも、大人同士が子どもを間に挟んで対立するのは避けて、

折り合いをつけていくことができればと思います。


周りの大人は子どもにとって大切な環境の一部である、

ということを忘れないようにしたいものです。


□百枝芳雄(ももえだ よしお)『父親が子どもの未来を輝かせる』


□百枝芳雄(ももえだ よしお)『「1人でできた!」を助けるおうちでモンテッソー-リ子育て お母さんはラクになり、子どもの未来が輝く』



※実践は自己責任で。

#読書 #子育て